インドに行くと、とにかく車にバイクに人、人、人…。これでもかというくらい人がいっぱいいて、活気にあふれています。
そんなインド、どうやらついに中国の人口を追い抜くらしいです。日本や韓国は人口が減り続けているっていうのに、なぜインドの人口はそんなにも増えていっているのでしょうか。
ここでは、インドの人口増加について、考えられる要因や今後起こり得る予測についてまとめました。
すでに中国を抜いたという見解も
インドの人口は、2023年に中国を抜き、世界第1位になると見込まれています。それどころか、2022年末の時点で14億1,700万に達し、すでに中国を抜いたのではないかという報道も出ているほどです。2021年の中国の人口が14億1,200万人ですから、すでに抜いている可能性は十分に高いですね。2030年になると、15億364万人に達すると予測されています。
インドの人口が増えている理由
インドは出生率が高いうえに医療技術の発達・整備から、乳幼児の死亡率が低くなってきています。
一方、これまで人口1位の中国では、長い間「一人っ子政策」が行われていました。それに加え、経済成長に伴う人々の多様化が少子化につながり、2022年ごろから人口減少時代に入ると見られています。
また、インドは広大な土地を持つうえに土地が豊かで、作物が育つのに適しています。米や小麦の生産量も高く、比較的安定的に食料を供給することができます。このことから、今後も人口の増加傾向が続くとみられているのです。
インドの出生率が高い理由
これまで、インドでは貧困から逃れるためには、家族みんなで労働を分担し、より多くの収入を得ることが求められました。そのため、子供を多く持つことが生活の安定につながるという考えがあったのです。
しかし近年になって、衛生環境や栄養状態は大きく改善し、医学が進歩して死亡率が低下しました。その結果、多産少死の傾向になり人口が爆発的に増加したのです。
実際にインドでは人口を抑制する計画を掲げ、国を挙げて戦略を実施してきました。
1980年以降の増加率は減少していっているものの、いまだに問題は解決されていません。
人口ボーナス期と人口オーナス期
インドで若者の人口増加による経済成長が見込まれるように、人口の増え方は国の経済成長に影響を与えます。
多産多死の発展途上国が少産少死の先進国に向かうとき、プラスの影響を与える「人口ボーナス期」に入ります。
そして経済成長により医療や栄養状態が向上し、人が長生きになると、生産年齢の人口が少なくなり、経済成長が難しくなります。これが「人口オーナス期」です。インドは人口ボーナス期、日本や韓国、中国など、先に発展を遂げた国は人口オーナス期に入っていることが分かります。