総人口数で、やがて中国を追い抜くとされるインド。経済成長もめざましく、近い将来、世界経済の構造も大きく変化すると言われています。
ここでは、成長著しいインドの経済成長ぶりについて、成長している理由や今後予測される経済の変化についてまとめました。
かつての宗主国を追い抜いたインド
2021年10～12月期のGDPで、インドはイギリスを抜き、アメリカ、中国、日本、ドイツに次ぐ世界第5位の経済国となりました。
実質GDP成長率も中国を上回り、25年にはドイツ、27年には日本を抜く見込みとなっています。なぜそれほどまでに経済成長を遂げているのでしょうか？
2023年中には人口世界一に
現在、世界で最も人口の多いのは中国ですが、国連の予測によると、2023年中にはインドが中国を追い抜き、世界一になると言われています。
すでに2022年末時点で14億1,700万人に達したとも言われており、中国を抜いたという見解もあるほどです。
しかも、インドの人口の半分以上が25歳未満のため、これから続々と働き手が増え、さらなる成長が予測されています。
一方、中国では日本や韓国と同じように人口減少が問題視されており、労働人口も少なくなっていくと予測されています。今後、インドがますます経済力をつけてくることは目に見えるといっても過言ではありません。
IT分野に強いインド
アメリカの有力IT企業のトップにインド出身者やインド系の人々が並ぶほど、インドはIT先進国です。今でも多くの若者が将来、IT関連の職に就くことを目指しています。
その大きな理由とされているのが、インド古来のカースト制度。ヒンドゥー教では、人は生まれながらにして職業と結びついた集団（ジャーティ）に属して生きていかなくてはならないという考えがあり、一族が営む職業を代々に渡って継ぐことが求められました。
今でこそカーストの風習はなくなってきましたが、今でもインドの多くの地域や文化に深く根付いています。
一方、ITの仕事は、カースト制度では分類できない「新しい職業」と見られました。カーストに左右されない職業として多くの人が目指すようになった結果、ITに強くなったのではないかと言われています。
巨大なマーケットとして注目
インドの1人あたりのGDPは年々上がってきており、巨大なマーケットとして注目されています。生活の質を改善するための需要や電力、道路、鉄道、通信、上下水道など、インフラ整備が急速に進められている最中です。そんなインドに目を向けているのは投資家だけではありません。数多くの欧米企業や日本企業もインド市場に乗り出しており、ますます発展していくと見込まれています。奥深きインド、今後もますます目が離せなくなりそうです。
