インドの空港へ降りたった途端、どこからともなく香ってくる香辛料のスパイシーな空気。
ふだんから香辛料を多く使うインドでは、主にカレーが食べられることが知られていますが、本当にインドの人は毎日カレーばっかり食べているんでしょうか?
私も辛いものやスパイシーな料理は好きですが、毎日カレーだとさすがに飽きてしまいそう…。
実際、インドではスパイスがどのように使われるのか、気になったので調べてみました。
なぜインドではスパイスが使われるのか
インドで多くのスパイスや香辛料が使われる理由は、インドの気候風土にあります。インドは熱帯地域に属するため、年間を通して気温が高いのが特徴。一番気温の高い5~6月にもなると、最高気温が40℃にもなり、とにかく暑くて人々の食欲がなくなります。
そこで、食欲を増進するために料理に入れるようになったのがスパイスです。スパイスや香辛料には消化を助けたり胃腸を強くしたりする効果もあるため、食事を摂りながら体調管理を行う目的で日常的に食されるようになりました。
実は「毎日カレー」ではない
インド人と日本人のカレーの定義は根本的に違うため、理解しにくいかもしれませんが、インドで言うカレーは、スパイスや香辛料を使った料理の総称です。スープも炒め物も煮込み料理も、スパイスが使われていればカレーと呼ぶため、日本人の考えるカレーとは少し違います。スパイシーではありますが、毎日あのカレーを食べているわけではないんですね。
また、最近では欧米のピザやメキシコのタコスなど、諸外国の料理も食されるようになってきています。
インド料理で基本となるスパイス・香辛料
シナモン
クスノキ科常緑樹の樹皮を乾燥させてできるスパイスで、インドではチャイの香りづけに欠かせません。南インドなど熱帯地方原産のシナモンは、セイロンシナモンと呼ばれます。
ベイリーフ
洋食料理の「ローリエ」に似たような葉っぱの香辛料。カレーを作る際、玉ねぎを炒める時やクミンを使った挽き肉の炒めものを作る際に入れられます。
カルダモン
甘くエキゾチックでさわやかな香りのカルダモン。「スパイスの女王」と呼ばれることもあるショウガ科のスパイスです。インドでは、カレーやガラムマサラなどに使用されます。
クローブ
別名「ちょうじ」と呼ばれる、舌がしびれるような刺激を感じるスパイスです。肉の臭み消しに効果的で、煮込み料理によく使われます。
コリアンダー
パクチーで知られるハーブの一種。一般的に「パクチー」と呼ばれるのは葉や茎の部分で、インドでスパイスとして使われるのは種子の部分です。肉、豆、卵料理によく使われます。
クミン
これぞカレー!を思わせる、エスニックな香りのスパイスです。インド料理では、最初にクミンを油で加熱して、十分に香りを引き出してから野菜などを炒めます。