Paytmとは
Paytm(ペイティーエム)は、インドで広く普及している電子決済アプリのひとつです。もともとは携帯のプリペイドチャージ用アプリとして登場しましたが、現在ではコンビニ・レストラン・タクシー・ネットショッピングなど、あらゆる場面で利用されており、現地の生活には欠かせない存在となっています。
インド政府が推進するキャッシュレス政策「デジタル・インディア」の流れを受けて、Paytmは一気にユーザー数を拡大しました。特に中小の商店や屋台など、現金しか使えなかったような場所でもQRコードを使った決済ができる点が大きな魅力です。
Paytmの導入方法
Paytmを利用するには、まずスマートフォンにアプリをインストールします。アプリはAndroid・iOSの両方に対応しており、「Paytm」で検索すれば公式アプリが見つかります。
インストール後は、電話番号によるアカウント登録が必要です。インド国内のSIMカード(インドの電話番号)が必要となるため、旅行者や短期滞在者が使用するには現地のSIMを購入するか、インド在住者の協力が必要です。
登録後、SMSによる認証コードを入力し、プロフィール情報を入力すれば基本設定は完了します。
なお、外国人が自国の電話番号で登録することはできないため、利用を検討する場合は現地SIMカードの購入を前提とするのが現実的です。
主な使い方と機能
Paytmの利用方法は非常にシンプルです。主な機能と使い方は以下の通りです。
QRコード決済
最も一般的な使い方は、店舗に掲示されたQRコードをアプリでスキャンし、金額を入力して支払う方法です。アプリ内でPaytmウォレットにあらかじめチャージしておくことで、即時支払いが可能になります。チャージはクレジットカード、デビットカード、銀行口座などを通じて行います。
モバイルリチャージ(携帯チャージ)
もともとPaytmは携帯料金のチャージ用アプリとしてスタートした背景があり、今でもこの機能は健在です。電話番号を入力するだけで簡単にプリペイド残高を追加できます。
公共料金の支払い
電気代、水道代、ガス代、インターネット料金などの公共料金の支払いにも対応しています。請求書の情報を登録しておけば、毎月自動でリマインドが届くため便利です。
映画・バス・電車チケットの予約
チケット予約機能も非常に充実しています。インド国内の映画館、長距離バス、鉄道、フライトの予約がアプリ内で完結するため、旅行時にも役立ちます。
ショッピングとキャッシュバック
PaytmモールというEC機能も統合されており、オンラインで買い物ができるほか、利用金額に応じてキャッシュバックやポイントが還元される仕組みもあります。
利用できる場所と注意点
Paytmはインド国内のほとんどの都市部で利用できます。特にチェーン店、コンビニ、カフェ、大型商業施設ではほぼ導入されており、路上の屋台や個人商店でもPaytm用QRコードが掲示されていることがよくあります。
ただし、地方の村やインフラが整っていないエリアでは、依然として現金のみの取り扱いが多いため、現金も多少は持ち歩く必要があります。また、電波状況や通信エラーが発生した際のために、バックアップの決済手段を用意しておくと安心です。
もうひとつの注意点としては、Paytmウォレットへのチャージ上限があることです。本人確認手続きをしていない状態では利用制限がかかる場合もあるため、長期利用を前提とする場合は、KYC(本人確認)を済ませておくことをおすすめします。
まとめ
Paytmは、インドにおいて最も普及している電子決済アプリのひとつであり、日常生活から旅行、買い物に至るまであらゆる場面で活用できます。使い方はシンプルで、QRコードを読み取るだけで支払いが完了するため、現金のやり取りを避けたい人にとっては非常に便利なツールです。
ただし、利用にはインドの電話番号が必要になるなど、短期滞在者にとってはややハードルがあるのも事実です。現地滞在予定がある方や、インドの生活をより快適に過ごしたい方にとっては、Paytmの導入は大きなメリットとなるでしょう。