ポハの特徴
インドの朝ごはん文化において、「ポハ(Poha)」は非常にポピュラーな一品です。特にマハーラーシュトラ州や中部インドでは定番中の定番として知られており、老若男女に親しまれています。
ポハとは「押し米(フラットライス)」を使った料理で、軽くて消化に良く、朝食に最適な一皿です。押し米を水でさっと洗って戻し、ターメリックやマスタードシード、カレーリーフ、ピーナッツなどと一緒に炒めて調理されます。
見た目は黄色く、ほんのりスパイシーながらも優しい味わいで、日本人にも比較的食べやすいのが特徴です。地域や家庭によって味付けや具材にバリエーションがあり、グリーンチリやコリアンダー、ポテトなどが入ることもあります。
ポハの価格相場
インドのストリートフードとしてのポハは、価格の手頃さでも支持されています。都市部の屋台やローカル食堂では、1皿あたり10〜30ルピー程度(約20〜60円)で提供されており、学生や労働者にも重宝されています。
レストランやホテルの朝食メニューに登場する場合でも、50〜100ルピー(約100〜200円)ほどで、非常にリーズナブルです。紅茶(チャイ)やパコラ(野菜の揚げ物)とセットで出されることも多く、コスパ抜群の朝食として人気があります。
ポハの作り方
ポハは手軽に作れるため、インドの家庭でも頻繁に登場します。以下は基本的な作り方の一例です。
材料(2人分)
- 押し米(ポハ) 1カップ
- タマネギ 1/2個(薄切り)
- グリーンチリ 1本(輪切り)
- マスタードシード 小さじ1/2
- クミンシード 小さじ1/2
- ターメリック 小さじ1/4
- ピーナッツ ひとつかみ
- 塩 少々
- レモン汁 少々
- 油 大さじ1
- コリアンダー(パクチー) 適量
手順
- ポハをボウルに入れ、水でさっと洗ってざるにあげ、10分ほど置いておきます。ふっくらして柔らかくなったらOKです。
- フライパンに油を熱し、マスタードシード、クミンシードを入れてはじけさせます。
- ピーナッツを加え、軽く炒めてからタマネギとグリーンチリを投入し、しんなりするまで炒めます。
- ターメリックを加えて全体を黄色くし、準備しておいたポハを投入。塩で味を整えながら中火でさっと炒めます。
- 火を止めてからレモン汁をかけ、コリアンダーを散らして完成です。
非常にシンプルながら、スパイスの香りとレモンの酸味がバランスよく、朝から元気が出る味わいに仕上がります。
ポハをめぐる文化背景
ポハは単なる朝食にとどまらず、インドにおける「家庭の味」の象徴でもあります。母親や祖母が作ってくれた朝の味として記憶に残る人も多く、地域によってはおもてなし料理や祭りの軽食として出されることもあります。
特にマハーラーシュトラ州の「カンダ・ポハ(タマネギ入りポハ)」は、結婚相手との最初の食事に出されることもあるなど、日常と伝統が交差する料理ともいえます。
また、ヘルシーで低脂肪なことから、最近ではダイエット食としても注目されています。ベジタリアンが多いインドならではの知恵が詰まった一品として、世界的にも徐々に認知され始めています。
まとめ
ポハは、インドの多様な朝ごはん文化を象徴する存在です。手軽でおいしく、しかもヘルシーという三拍子そろったこの料理は、インド料理初心者にもおすすめできます。
スパイスの香りに包まれながら、ひとくちずつ味わうポハは、異国の朝の空気まで感じさせてくれるはずです。インドの朝に触れる最初の一歩として、ポハをぜひ試してみてください。