インドには、さまざまなスパイスや香辛料を組み合わせた数えきれないほどのカレーがありますよね。でも、日本の「カレー」の概念とは少し違うようです。どういうことなのでしょうか?
ここでは、そんなインドカレーについて、具材や地域別で異なるカレーや代表的な種類について紹介していきます。
そもそもインドカレーって?
実は、インドには「カレー」という名前の料理はありません。インドで言う「カレー」とはスパイス料理の総称で、香辛料を使うスープや汁物、煮込み料理などにはそれぞれ名前がついています。
そのため、日本人から見ると全部カレーに見えますが、それぞれが異なる料理なのです。
ただ、世界的にカレーというワードが認識されたことで、インド料理店などでも「カレー」という表現を使うところが多くなっています。
代表的なインドカレーの種類
インドカレーは、インドの地域別によって違いが見られます。インドを南北に分けたとき、北インドカレーはバターを使った濃厚な味が特徴で、南インドカレーはシャバシャバとした水分の多いのが特徴です。
バターチキンカレー
北インドのカレーに見られる特徴が「ギー」と呼ばれるバターオイルを使用したカレーです。代表的なのがバターチキンカレーで、日本人にもファンが多くいます。
タンドリーチキン
スパイスをたっぷり漬け込んだチキンを、「タンドール」と呼ばれる円筒形の土窯で焼く料理です。もともとはインドのパンジャーブ地方で作られていた郷土料理ですが、インドの老舗レストラン「Moti Mahal(モティ・マハル)」が世界中に広めたことから知られるようになりました。
ダール・タドカ
「インドの国民食」とも言われる定番のカレーが、豆や野菜をふんだんに使ったダール・タドカです。北インドカレーのギーを完成直前に入れるのが特徴で、豆が溶けて全体的にとろみのあるカレーです。
サンバール
南インドで食べられるスープ料理です。ナスやオクラ、大根、カボチャなど、さまざまな野菜が使われます。ライスとの相性がよく、南インドでは日本で言う味噌汁のような存在で、ほぼ毎食のように食べられています。
ミールス
南インドには、定食のようなスタイルでカレーを食す文化があり、ミールスと呼ばれます。お米やカレー、副菜などの料理が小さな器に盛られて大きなお皿に載せられているのが特徴で、最近では日本の専門店でもよく見かけるようになりました。
ミールスの定番はトマトベースのスープ「ラッサム」に豆と野菜のカレー「サンバル」、豆のカレー「ダール」、ヨーグルト、アチャール(野菜の漬物)、豆を使ったせんべい「パパド」などです。