インド人の日常生活に根付いた、ヒンドゥー教の「神様」。街には至るところにヒンドゥーの神様が描かれたポスターやグッズが飾られており、どこへ行っても目にすることができます。
日本でも、アジアンな雑貨店や飲食店で見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。
日本でも八百万(やおよろず)の神がいると言われるように、インドの神様もひとつではありません。たくさんの神様がいると考えらえていて、それぞれ個性的な神話が語り継がれています。
ここでは、インドで大切に扱われる「神様」について、代表的な神様の特徴や神話についてまとめました。
そもそもヒンドゥー教とは
インド古来の民族的な宗教がまとめられたもので、明確な開祖や体系はありません。また、多神教の考えが主流で、自分が信じる神を最高神として崇める傾向が強いです。今で言う「推し」みたいな感覚でしょうか。なので、それぞれが自分の好きな神様のポスターを貼ったりグッズを飾ったりしています。
代表的なインドの神様
シヴァ
ブラフマー(創造神)、ヴィシュヌ(維持神)と並ぶ三大神のひとつ、シヴァ(破壊神)は、インドでも人気の高い神様です。三叉槍を持ち、蛇を首に巻いて虎皮に坐していて、顔の眉間には「第三の目」があります。シヴァの乗り物は牛で、インドで牛が神聖な生き物とされているのはここに由来していると言われています。
神話では、妻のパールヴァティーが長い修行へ出た夫にいたずらしようと瞑想中のシヴァの目を覆ったところ、世界が闇に包まれたと言われています。
ブラフマー
ブラフマーは三大神のうちの創造神。インド哲学の「梵(ブラフマン)」の思想を神格化したものと言われています。4つの顔と4本の腕、手にはそれぞれ蓮の花とヴェーダ(知恵の聖典)、数珠、水瓶を持っていて、蓮の花の上に座っています。
ヴィシュヌ
太陽を神格化した「ヴィシュヌ」は、三大神のうちの維持神です。4本の腕があり、手には武器となる円盤、法螺貝、蓮の花、棍棒を持っています。10の化身を持っており、「化身=アヴァターラ」は英語のアバターの語源にもなっています。亀やイノシシなどさまざまなものに化身して、人々を救う神様として崇められています。
ガネーシャ
象のような耳と鼻を持ち、片方の牙が折れた象の頭、大きなお腹をしたガネーシャ。「夢を叶えるゾウ」として日本でも有名になった神様です。迷いや苦しみから抜け出させてくれ、商売繁盛のご利益を得られる神様としてインドでもポピュラーな存在です。